汗が多いのは「多汗症」かも?汗の保険治療とボトックス治療について
汗が多いのは「多汗症」かも?汗の保険治療とボトックス治療について
暑い季節になると増えてくる「汗」のお悩み。
- 脇汗で服に汗ジミができる
- 手汗でスマートフォンや書類が濡れてしまう
- 制汗剤を使っても汗が気になる
- 人より汗の量が多い気がする
このようなお悩みを、「汗っかきだから仕方がない」と思っていませんか?
汗をかくこと自体は、体温を調節するために必要な身体の働きです。しかし、気温や運動などに関係なく汗が多く、日常生活に支障をきたしている場合は、「多汗症」という病気の可能性があります。
多汗症にはさまざまな治療方法があり、症状や汗が気になる部位によっては、健康保険を使って治療することもできます。
今回は、多汗症の症状や保険診療で行える治療、さらに脇汗をしっかり抑えたい方に向けたボトックス治療についてご紹介します。
多汗症とは?
多汗症とは、体温調節に必要な範囲を超えて汗が多く出る状態です。
特に、
- 脇
- 手のひら
- 足の裏
- 頭部・顔
など、身体の一部分に汗が多くみられるものを「局所多汗症」といいます。
その中でも、ほかの病気や薬などの明らかな原因がなく、脇から過剰に汗が出る状態を「原発性腋窩多汗症」、手のひらに過剰な発汗がみられる状態を「原発性手掌多汗症」といいます。
単純に「汗の量が多い」というだけではなく、汗ジミが気になって着たい服を選べない、書類が汗で濡れてしまう、人と握手するのをためらってしまうなど、日常生活に影響することもあります。
「汗っかき」と「多汗症」はどう違う?
暑いときや運動をしたときに汗をかくのは、身体が体温を調節するための正常な反応です。
一方、多汗症では、
- それほど暑くないのに汗が多い
- 左右対称に汗をかく
- 汗によって日常生活に困ることがある
- 以前から汗の量が多い状態が続いている
といった特徴がみられることがあります。
また、これまで気にならなかったのに急に汗が増えた場合には、ほかの病気や服用している薬などが関係している可能性もあります。
「自分はただの汗っかき?」と思う場合でも、汗の量によって生活に困っているのであれば、皮膚科で相談することができます。
多汗症は夏だけのもの?
汗のお悩みというと、気温の高い夏をイメージする方が多いかもしれません。
もちろん暑い時期には発汗量が増えるため、多汗症の方にとって症状が気になりやすい季節です。
しかし、多汗症による発汗は必ずしも暑さだけが原因ではありません。
緊張したときや人前に出るとき、仕事や勉強に集中しているときなどに汗が増えることもあり、季節を問わず症状に悩まされる方もいます。
また、「汗をかいたらどうしよう」と意識することで、さらに汗が気になってしまうこともあります。
夏だけの一時的な汗だと思っていても、毎年同じような症状を繰り返していたり、気温にかかわらず脇や手のひらなど特定の部位から多く汗が出たりする場合には、多汗症が隠れている可能性があります。
多汗症は保険診療で治療できることがあります
多汗症には、症状や汗が気になる部位に応じた保険適用の治療薬があります。
市販の制汗剤を使っていても汗が気になる方や、「汗のことで病院を受診してもいいの?」と思っていた方も、治療の対象となる場合があります。
01脇汗の治療
原発性腋窩多汗症には、保険適用の外用薬があります。
・エクロックゲル5%
脇に塗布して使用するタイプの外用薬です。
・ラピフォートワイプ2.5%
薬剤が含まれたシートで脇を拭くタイプの外用薬です。
どちらも、発汗に関わる「アセチルコリン」の働きを抑えることで、過剰な発汗を抑えます。
自宅で継続して使用できるため、まずは保険診療で脇汗の治療を始めたい方にとっても選択肢のひとつです。
02手汗の治療
原発性手掌多汗症には、アポハイドローション20%という手のひらに使用する外用薬があります。
手汗が多いと、
- 紙やノートが汗で濡れてしまう
- スマートフォンの操作がしづらい
- 仕事でパソコンや書類を扱うときに困る
- 人と手をつなぐことに抵抗がある
など、日常生活のさまざまな場面で負担になることがあります。
こうした手汗についても、症状によっては保険診療で治療することができます。
03内服薬による治療
症状によっては、プロバンサイン(プロパンテリン臭化物)などの内服薬を使用することもあります。
発汗に関わる神経の働きを抑えることで、汗を減らす効果が期待できます。
これらの治療薬は市販の制汗剤とは異なり、医師による診断のうえで処方します。
薬によっては口の渇きや目の乾きなどの副作用がみられることがあり、持病や服用中のお薬によって使用できない場合もあります。そのため、診察時に状態を確認しながら治療方法を選択します。
脇汗をしっかり抑えたい方には「脇ボトックス」
保険診療による外用薬や内服薬とは別の選択肢として、当院では自費診療による脇のボトックス治療も行っています。
ボツリヌストキシンには、汗腺に「汗を出して」と伝える神経からの信号をブロックする作用があります。
脇に細かく注射することで汗腺の働きを一時的に抑え、脇汗の量を減らす効果が期待できます。
効果の持続期間には個人差がありますが、約6か月程度が目安です。
- 脇汗をしっかり抑えたい
- 毎日薬を塗るのが負担
- 汗ジミが気になって着る服を選んでしまう
- 夏場や大切な予定に向けて汗を抑えたい
といった方にとって、治療の選択肢のひとつとなります。
なお、脇のボトックスは汗の量を抑えることを目的とした治療です。当院では多汗症に対する治療として行っています。
保険治療と自費のボトックス、どちらがいい?
多汗症の治療は、汗が出る部位や量、症状の程度、生活スタイル、どの程度汗を抑えたいかなどによって選択肢が変わります。
例えば、まずは保険診療の外用薬から治療を始めてみる方法があります。
一方で、毎日の外用が負担に感じる場合や、よりしっかりと脇汗を抑えたい場合には、自費診療の脇ボトックスを検討することもできます。
また、「夏の間だけ特に脇汗を抑えたい」「仕事上、汗ジミが目立つ服を着ることが多い」など、ライフスタイルによって治療に求めることも異なります。
「保険と自費、どちらを選べばいいのかわからない」という方も、最初からご自身で治療方法を決める必要はありません。
当院では、汗が気になる部位や症状を確認したうえで、保険診療・自費診療それぞれの選択肢から、一人ひとりに合わせた治療をご提案します。
顔の汗にもボトックス治療があります
当院では、脇だけでなく顔の多汗症に対するボトックス治療も行っています。
- 暑くなると顔から汗が止まらない
- 汗でメイクが崩れてしまう
- 人前に出ると顔汗が気になる
といったお悩みについてもご相談いただけます。
顔の汗は脇汗のように服で隠すことが難しく、特に夏場には日常生活で気になる場面も多くなります。
顔の多汗症に対するボトックス治療についても、症状やご希望を確認しながらご案内いたします。
※顔の多汗症に対するボトックス治療は自費診療となります。
※当院では手のひら・足の裏への多汗症ボトックス治療は行っておりません。
こんな汗のお悩みがあれば皮膚科へご相談ください
汗は誰でもかくものだからこそ、「自分が多汗症なのかわからない」「この程度で病院に行っていいのかな」と迷う方も少なくありません。
例えば、
- 脇の汗ジミが気になり、着る服を選んでいる
- 何度も汗を拭いたり、着替えたりしている
- 市販の制汗剤を使用しても汗が気になる
- 手汗で紙やスマートフォンが濡れる
- 汗が気になって仕事や勉強に集中しづらい
- 人前に出ると汗が気になってしまう
- 季節を問わず脇や手など特定の場所に汗をかく
など、汗によって日常生活に困っていること自体が、皮膚科を受診するきっかけになります。
また、汗の原因がすべて多汗症とは限りません。急に汗が増えた場合や、全身の発汗が気になる場合などには、ほかの病気や薬の影響がないかを確認することも大切です。
汗のお悩み、一人で我慢せずご相談ください
「汗っかきは体質だから仕方がない」と思われがちですが、多汗症には治療の選択肢があります。
脇汗や手汗に対する保険診療の外用薬や内服薬のほか、当院では脇・顔の汗に対する自費診療のボトックス治療も行っています。
汗の量や気になる部位、生活の中で困っていることは一人ひとり異なります。
奈良・大和西大寺周辺で脇汗・手汗・顔汗などの多汗症にお悩みの方は、西大寺駅前A皮膚科へご相談ください。
症状やライフスタイル、ご希望に合わせて治療方法をご提案いたします。